デブサミ2009に登壇しました

【13-B-5】アーキテクトって何ですか?〜 普段の仕事と、マイクロソフト認定アーキテクト取得で学んだこと 〜

くっしーとのコラボで実現できたセッションは本人の予想以上に素晴らしい出来だったと思います。
前半はMCA(Microsoft Certified Architect)の説明で、後半は私的アーキテクト論の流れだったのですが、実はこのセッションの中心は後半30分に渡る、くっしーとのディスカッションでした。

「アーキテクトはお父さんでPMはお母さん」という私のイメージついて、くっしーはPMの立場から、私はアーキテクトの立場から、飲み屋での真剣トークをうまく再現できたのではないかと思います。参加された皆さんが真剣に聞き入っているのが、こちら側からもよく分かりました。

何人かに感想をセッションの聞きましたが、とても良い評価を頂けて嬉しかったです。

くっしーのお陰で本当に良いセッションができました。ありがとう!


セッション スライドhttp://www.slideshare.net/afukui/13b5

ジェダイ評議会(MCA Review Board)

今回、初挑戦でMCA Solutions Certificationsの認定を受けることができた。
今後挑戦する人のためにもMCAに関する覚え書きを残しておく。

MCA

MCAというと日本ではMicrosoft Certified Associateというマイクロソフト製品技術の入門者向け資格のことだが、ここで言うMCAはそのMCAではなく、Microsoft Certified Architect Programsのこと。

http://www.microsoft.com/learning/mcp/architect/default.mspx

上記サイトの最初にMCAについての説明がある。以下抜粋。

The Microsoft Certified Architect (MCA) programs identify top industry experts in IT architecture. Microsoft Certified Architects have proven experience with delivering solutions and can communicate effectively with business, architecture, and technology professionals. These professionals have three or more years of advanced IT architecture experience, possess strong technical and leadership skills, and form a tight-knit, supportive community.

MCAには大きく2種類あり、MCA programs for technology-based architecture skillsとMCA programs for broad architecture skillsに分かれる。前者は、Microsoft Exchange ServerMicrosoft SQL Serverに分かれ、認定されるためには4週間に及ぶ非常に深いトレーニングを受けながら、毎週実施されるラボ ベースの試験にすべて合格しなければならない。後者はInfrastructure CertificationsとSolutions Certificationsに分かれる。こちらはトレーニングやテストはなく、その代りにMicrosoft及びNon-Microsoftの両方の経験と知識に関するエキスパート(MS及びMCA資格保持者)からの厳しいインタビューに答えなければならない。*1

MCA Solutions Certifications

今回受けたのはMCA Solutions Certificationsで、この資格認定を受けるためにはインタビューの1ヶ月ほど前に20ページ程度のCase Studyを纏めたドキュメント、7つのコンピテンシーに関する自分のスキルアピールシート、レジュメ、プレゼンテーション用スライドなどを英語で提出する。その後、Board Memberと呼ばれる4人のMCA保持者(MS社外のメンバーが多い)と1人のモデレータによってReview Board Interviewが行われる。そこでのプレゼンテーション発表とBoard Memberからの質問への回答に対してBoard Memberが評価を行い合否が決定される。まさしくジェダイ評議会のイメージ。

Seven competencies

7つのコンピテンシーとは、

  • Leadership
  • Technology depth
  • Technology breadth
  • Strategy
  • Organization dynamics
  • Tactical and process
  • Communication

で、Case Studyもこの7つのコンピテンシーとの関連で説明する必要がある。
プレゼンテーション発表(45分)では、内容はもちろんの事、コミュニケーション スキルの評価の対象にもなっている。
今回、プレゼンテーション発表については通訳者を付けてもらい、日本語で行った(プレゼンテーションのコンテンツ自体は英語)。ただ、Q&Aに関しては通訳者は技術者ではないので、あまり役には立たなかった。
プレゼンテーションが終わると前半(60分)と後半(60分)に分かれてインタビューが行われる。前半は主にCase Studyの内容について、休憩をはさんで後半は7つのコンピテンシーに関してBoard Memberから自由に質問が行われる。最後にラップアップを5分で発表し、終了する。*2

Board Review Interview

今回Board Memberから受けた質問を思い出したものから挙げてみる。

  • そのプロジェクトの費用の中で占めるハードウェアの金額はどれくらいか?
  • その中にランニング コストは含まれているのか?またその金額はどれくらいか?
  • 私をその企業のCIOだとしてROIやメリットを説明しなさい
  • プロジェクトの複数グループをリードしているが、どのようにして行ったか?
  • インフラ アーキテクトとの連携は?
  • チームをどのようにモチベートしたか?
  • ステークホルダーに対する説得はどのように行ったか?
  • プロジェクトで利用している運用フレームワークは何か?
  • プロジェクトで開発したフレームワークのモデルをホワイトボードに記述せよ
  • EAについて説明してほしい(Zachman Framework、TOGAFなど)
  • レイヤ分割の意味は?
  • データアクセスを共通化する方法について答えよ
  • フレームワークで利用したEnterprise LibraryのApplication Blocksは何か?
  • 何のために変更管理を行うのか?
  • 開発したフレームワークで利用したデザイン パターンは何か?
  • Builder Patternについてホワイトボードに書いて説明しなさい
  • MVC PatternとMVP Patternの違いについて
  • DCOMとCOM+の違いは何か、COM+が提供している機能は何か?
  • オブジェクト指向の特徴を挙げよ
  • EnterpriseなWeb Applicationを構築したい企業に対して、ASP.NETJavaよりも優れている点は何か?
  • Six Sigmaについて知っていることを答えよ
  • ESBを構成する要素を答えよ
  • SOAとは何か?
  • .NET Frameworkからネイティブ コードを呼び出す方法を3つ答えよ
  • Enterprise Integration Patternsにあるパターンで知っているものを挙げよ
  • 法令によって強制されるシステム上の制約は何か?
  • マーシャリングについて解説せよ
  • 将来Web開発がどのようになると考えているか?
  • 大工にとっての金鎚は、アーキテクトにとっては何か?*3

思い出したら、また追記する。

*1:2008年7月9日時点で、世界でInfrastructureは38人、Solutionsは77人の保持者がいるらしい。

*2:時間は通訳の時間を考慮して普段より長めに取られたもの。本来はプレゼン30分、インタビューは前半40分、後半40分、ラップアップ5分となっている。

*3:思い出したので9/29追記

XP祭り2008 終了しました。

今回も多くのことを学びました。中でも人と話すことの重要性を改めて感じました。

倉貫代表挨拶

XPとは何かについての再考。
倉貫さんはいつもSIにとってのアジャイル、ビジネスとアジャイルを真剣に考えている。倉貫さんとはXPJUGのスタッフとして話をするときが多いが、SIビジネスの話も深くて面白い。

平鍋さん基調講演

Agile2008について。日本人は英語の本を翻訳したものを有難がる傾向があるが、レベル的には変わらない。日本はもっと日本の持つ良いところを輸出していくべきという言葉に深く同意。
懇親会でも平鍋さんと日本のエンジニアが世界に発信するべきという話で盛り上がった。

懸田さん Agile2008レポート

懸田さんのユニークな視点と熱い思いはいつ聴いても楽しい。

木下さん Agile2008レポート

木下さんの発表はいつも意外性があるが、今回もキチンと仕込んできた。
英語の論文は本当に苦労したんだろうなと思う。
同じXPJUGスタッフだけど今までそれほど親しく話をしなかったが、今回の懇親会では楽しく会話できたのも自分としては収穫。

安田さんのAgile Conference in Japan

Agile2008で発表した日本のアジャイル コミュニティに関するセッションを日本語で。
日本のIT産業の構造、コミュニティの特徴は普段感じていることなので、とても分かりやすかった。
xp-jp/XPJUGとアジャイル評議会の比較もよく整理されていて分かりやすいと思ったが、海外でどこまで理解されたのかは疑問。おそらく文化的背景の違うものを体験せずに理解するのは困難だと思われる。
やっとむさんとは何度も話をしているが、彼が以前は人前でしゃべるのが苦手だったというのは少し驚き。

梶田さんと千葉さんの事例発表

Ruby & アジャイル開発を実体験に基づいて紹介。顧客をチームに巻き込むことの重要性は本当によく分かる。梶田さんの「正直な」という言葉に重みがある。
計画とふりかえりの重要性を顧客が理解してくれたという言葉が素晴らしかった。

野口さんのフリーペーパー EM ZEROの挑戦

野口さんの雑誌に対する熱い気持ちが本当に伝わってきた。
コンテンツの素晴らしさはさすがにプロの編集者。スピーカーとしてもウマい。
EM ZEROに何らかの形で協力できればと感じさせる熱い思い。

ライトニング トーク

今回はLT五輪ということで、平鍋さん、倉貫さん、高橋メソッドの高橋さん、野口さんとともに審査員の末席に。
LTのレベルは年々高くなってきてテクニックはどれも遜色が無くなってきた。その中で足立さんのLTは本当に素晴らしかった。テクニックではなく、何かを伝えたいという熱い気持ちが聞き手の感動を呼ぶ。同様にpapandaさんのLTも素晴らしかった。

懇親会

XP祭りに限らず、XPJUGのイベントは懇親会に本当の価値がある。
懇親会ではイベントに参加し、思いを共有した人たちが自分の言葉で語り合う場を提供する。一か所に留まるのではなく自然に席を移動して多くの人と語り合う人が多い。その中で多くの気づきを得て、さらにそれが他の席に移動して増幅される。

  • id:kakutaniさんからは情報を発信することの重要性を教わった。
  • 日本のエンジニアが世界に出ていくことを重要性について語り合った。
  • 足立さんのLTについて多くの人と語り合った。
  • 上司を説得するために、プランニングをすることの重要性について語り合った。

XP祭り2008 〜LT五輪〜


久し振りのエントリはイベントの告知です。(^_^;)

今回はライトニング トークス オリンピックですよー!


〇〇〇〇〇 XP祭り2008 〜LT五輪〜 〇〇〇〇〇
■案内ページ
http://jucalion.s66.xrea.com/xoops/modules/eguide/event.php?eid=6

■開催概要
日時:9月6日(土曜) 9:45開場 10:00開演
場所:練馬公民館ホール http://www.city.nerima.tokyo.jp/nerima_sg/kominkan/
参加費:無料

■内容紹介
9:45〜10:00:開場
10:00〜10:30:代表挨拶(XPJUG代表 倉貫義人・TIS株式会社)
10:30〜11:30:基調講演(XPJUGアドバイザー 平鍋健児・株式会社チェンジビジョン)
11:30〜12:30:Agile2008レポート
12:30〜13:30:昼休み
13:30〜14:00:LT x 5
14:00〜14:30:事例発表1
14:30〜15:00:事例発表2
15:00〜15:15:休憩
15:15〜16:15:LT x 11
16:15〜16:45:プレゼントタイム
(17:00終了予定)

■懇親会
終了後には懇親会を予定しています。
晴れていれば、光が丘公園での持ち込みパーティを予定しています。
この場合の懇親会参加費は無料です。各自で飲み物・食べ物を持ち込んでください。
雨の場合には、いくつかの居酒屋に分かれての懇親会になります。
懇親会の参加費は5000円以内を目安に考えています。

■お問合せ先
XPJUGスタッフ
xpjug.staff+XP2008@gmail.com

ご注意:開催内容の変更等の場合があります。
以上

デブサミ会場での会話 :-)

afukui2007-02-16


今回は仕事の都合でコンテンツ委員でありながら1日目しか参加できなかった。
それでも色々な方とお話できて、とても大きな収穫だった。

  • XPJUGワールドカフェでid:t-wadaさんを囲んでTDDをチームに導入する方法について
  • 咳さんと「あーキテクト(あーの部分はひらがな)」とはプログラムを書けない人を指すことについて
  • 咳さんとドキュメントは語り部が必要なことについて
  • id:NAgilerさんとtracの導入手順について
  • 近藤さんとセッションの時間配分について
  • id:Fujiwoさんと近藤さん、岩出さんのセッションについて
  • 岩出さんとVisual Studio 2005 SP1のインストールについて
  • 竹迫さんとPluggerのセッションについて
  • 河村さんと角谷さんとMac Bookの色について
  • 角谷さんと仕様書と絵本の関係について
  • id:higayasuoさんとEnterprise Library 3.0のAOPについて
  • id:shinchan55さんと将来のことについて
  • 尾島さんと将来のことについて
  • かずまおさんと心配な仲間のことについて
  • 羽生田さんとデブサミの傾向と最近の技術について
  • 原さんと腰リールについて
  • 水越さんとXPトレーディング カードについて
  • あまのりょーさんと良太さんのことについて
  • くまちゃんと新しいジョブとでっかいチロルチョコについて
  • こたさん、衣川さんとくそーすについて
  • 河村さんとSpringについて
  • 侍レッドと新曲について
  • 芦田さんとリファラルについて
  • 漆原さんとSecond Lifeでのナンパについて

などなど。


毎回思うけど、デブサミは来年も絶対参加したいと思います。

隠すことの問題 :-|

不二家や「あるある大辞典」などに共通する問題は不都合を隠すということ。問題が大きくならないように隠すつもりで、結局は破滅的な結果を招いている。問題を間違った方法で解決しようとするためにより大きな問題を作り出している。問題をステーク ホルダ間で共有し、共に解決しようと努力するのではなく、外に漏れないように内部で処理しようとする体制が結果として間違った舵取りを行い、やがて破綻する。


以前に参加したプロジェクトではPMが進捗を二重管理していた。「内部進捗」と「報告用進捗」だ。
内部進捗では遅れが報告されるが、PMは担当リーダーに遅れの原因といつキャッチアップできるかを厳しく問いただす。顧客の報告用進捗では、少し問題は発生しているものの進捗は順調であり、プロジェクトは予定通りであると報告する。


当然のようにこのやり方はいずれ破綻する。リーダーは責め続けられ、残業や休日出勤が増え、限界が近づく。


遅れの原因を究明することは大事だが、その問題を顧客を含めた全員で認識し、解決に向けて進まなければプロジェクトは絶対に成功しない。

今日はVSUGアカデミー スペシャル :-)

afukui2007-01-19


VSUGアカデミースペシャル 「ASP.NET AJAX 1.0 登場」
ASP.NET 2.0によるAJAXアプリケーション構築手法 〜
http://vsug.jp/tabid/138/Default.aspx


今頃AJAXって思う人もいると思うけど、あっという間に満席になったところを見ると.NET界隈ではこれからAJAXが旬なのかも。