ジェダイ評議会(MCA Review Board)

今回、初挑戦でMCA Solutions Certificationsの認定を受けることができた。
今後挑戦する人のためにもMCAに関する覚え書きを残しておく。

MCA

MCAというと日本ではMicrosoft Certified Associateというマイクロソフト製品技術の入門者向け資格のことだが、ここで言うMCAはそのMCAではなく、Microsoft Certified Architect Programsのこと。

http://www.microsoft.com/learning/mcp/architect/default.mspx

上記サイトの最初にMCAについての説明がある。以下抜粋。

The Microsoft Certified Architect (MCA) programs identify top industry experts in IT architecture. Microsoft Certified Architects have proven experience with delivering solutions and can communicate effectively with business, architecture, and technology professionals. These professionals have three or more years of advanced IT architecture experience, possess strong technical and leadership skills, and form a tight-knit, supportive community.

MCAには大きく2種類あり、MCA programs for technology-based architecture skillsとMCA programs for broad architecture skillsに分かれる。前者は、Microsoft Exchange ServerMicrosoft SQL Serverに分かれ、認定されるためには4週間に及ぶ非常に深いトレーニングを受けながら、毎週実施されるラボ ベースの試験にすべて合格しなければならない。後者はInfrastructure CertificationsとSolutions Certificationsに分かれる。こちらはトレーニングやテストはなく、その代りにMicrosoft及びNon-Microsoftの両方の経験と知識に関するエキスパート(MS及びMCA資格保持者)からの厳しいインタビューに答えなければならない。*1

MCA Solutions Certifications

今回受けたのはMCA Solutions Certificationsで、この資格認定を受けるためにはインタビューの1ヶ月ほど前に20ページ程度のCase Studyを纏めたドキュメント、7つのコンピテンシーに関する自分のスキルアピールシート、レジュメ、プレゼンテーション用スライドなどを英語で提出する。その後、Board Memberと呼ばれる4人のMCA保持者(MS社外のメンバーが多い)と1人のモデレータによってReview Board Interviewが行われる。そこでのプレゼンテーション発表とBoard Memberからの質問への回答に対してBoard Memberが評価を行い合否が決定される。まさしくジェダイ評議会のイメージ。

Seven competencies

7つのコンピテンシーとは、

  • Leadership
  • Technology depth
  • Technology breadth
  • Strategy
  • Organization dynamics
  • Tactical and process
  • Communication

で、Case Studyもこの7つのコンピテンシーとの関連で説明する必要がある。
プレゼンテーション発表(45分)では、内容はもちろんの事、コミュニケーション スキルの評価の対象にもなっている。
今回、プレゼンテーション発表については通訳者を付けてもらい、日本語で行った(プレゼンテーションのコンテンツ自体は英語)。ただ、Q&Aに関しては通訳者は技術者ではないので、あまり役には立たなかった。
プレゼンテーションが終わると前半(60分)と後半(60分)に分かれてインタビューが行われる。前半は主にCase Studyの内容について、休憩をはさんで後半は7つのコンピテンシーに関してBoard Memberから自由に質問が行われる。最後にラップアップを5分で発表し、終了する。*2

Board Review Interview

今回Board Memberから受けた質問を思い出したものから挙げてみる。

  • そのプロジェクトの費用の中で占めるハードウェアの金額はどれくらいか?
  • その中にランニング コストは含まれているのか?またその金額はどれくらいか?
  • 私をその企業のCIOだとしてROIやメリットを説明しなさい
  • プロジェクトの複数グループをリードしているが、どのようにして行ったか?
  • インフラ アーキテクトとの連携は?
  • チームをどのようにモチベートしたか?
  • ステークホルダーに対する説得はどのように行ったか?
  • プロジェクトで利用している運用フレームワークは何か?
  • プロジェクトで開発したフレームワークのモデルをホワイトボードに記述せよ
  • EAについて説明してほしい(Zachman Framework、TOGAFなど)
  • レイヤ分割の意味は?
  • データアクセスを共通化する方法について答えよ
  • フレームワークで利用したEnterprise LibraryのApplication Blocksは何か?
  • 何のために変更管理を行うのか?
  • 開発したフレームワークで利用したデザイン パターンは何か?
  • Builder Patternについてホワイトボードに書いて説明しなさい
  • MVC PatternとMVP Patternの違いについて
  • DCOMとCOM+の違いは何か、COM+が提供している機能は何か?
  • オブジェクト指向の特徴を挙げよ
  • EnterpriseなWeb Applicationを構築したい企業に対して、ASP.NETJavaよりも優れている点は何か?
  • Six Sigmaについて知っていることを答えよ
  • ESBを構成する要素を答えよ
  • SOAとは何か?
  • .NET Frameworkからネイティブ コードを呼び出す方法を3つ答えよ
  • Enterprise Integration Patternsにあるパターンで知っているものを挙げよ
  • 法令によって強制されるシステム上の制約は何か?
  • マーシャリングについて解説せよ
  • 将来Web開発がどのようになると考えているか?
  • 大工にとっての金鎚は、アーキテクトにとっては何か?*3

思い出したら、また追記する。

*1:2008年7月9日時点で、世界でInfrastructureは38人、Solutionsは77人の保持者がいるらしい。

*2:時間は通訳の時間を考慮して普段より長めに取られたもの。本来はプレゼン30分、インタビューは前半40分、後半40分、ラップアップ5分となっている。

*3:思い出したので9/29追記